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銀杏の話2015年6月1日


銀杏の産地祖父江町…
古くは米の凶作時の備蓄食料にも使われたというぎんなん。ginnan
生産を目的とした栽培は祖父江(愛知県稲沢市祖父江町)が最も古いとされています。ここは生産量日本一を誇る町で町のいたるところに樹齢百年以上の大木があります。
祖父江町の秋は色づくイチョウ並木など風情がありとても素敵です。
この地区は伊吹おろしが吹き付けるため防風林を兼ねて古くから屋敷のまわりにイチョウが植えられてきました。
屋敷内に植えられた木から収穫し出荷されてきたことから屋敷銀杏(やしきぎんなん)と呼ばれています。
その昔銀杏栽培発祥の山崎地区(祖父江町の西側)の者が名古屋へ銀杏を売りに行ったところ普通の物に比べ大粒の物が6~7倍の高値で売れ、これを知った一族の間で大粒の生産が盛んに行われるようになり集落全体へと生産の輪が拡大されてゆきました。
銀杏主要品種…
銀杏には金兵衛・久寿(久冶)・藤九郎・栄神とありこの中でも久寿(久冶)、藤九郎などが大きく良質とされています。
久寿(久冶)/大粒丸型もっちりとした食感で苦味が少ない成熟期が中正種で貯蔵性に欠ける。
籐九郎/大粒丸型実はもっとも大きく豊産性で種皮も白く美しいのが特徴。また貯蔵性にも富んだ品種。久寿(久冶)に比べると苦味が多少強い。
品種や果樹の大小、果形などよく見ると銀杏の個性が見えてくるかもしれませんね。
銀杏薬効…
葉にも実にも薬効効果あり!?
銀杏の実は栄養価が高く漢方では白果(はくか)と呼ばれ咳き止め、疲労回復などに効果があるそうです。(ただ食べ過ぎは下痢などを起こすとも・・)
イチョウはしもやけ、冷え性などに効くといわれています。
(私も冬の間はおせわになっています。)
秋になると学校の帰りに銀杏拾いをし、母が台所のフライパンで銀杏を煎ってくれました。煎りたての熱い殻を妹と競うように剥いて食べた記憶があります。
銀杏と同じくらい好きだったのが煎った椎の実(これも小学校裏の林でよく拾っていました。)実りの秋というように昔から実の物に目がないのかもしれません。

(文:山本美奈子)