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Kameiのおせち20082008年12月30日


Exif_JPEG_PICTURE今年ももうお節の時期になってしまいました。
毎年毎年たくさんの方からお褒めと激励を受け、今年も頑張りました。

日本には長い歴史の中で少しづつ培われてきた「人への気遣い」を感じさせる文化が数多くあります。江戸時代末期に日本は文化的にも人口でも世界のトップクラスの文明国であったと言われています。

特に現代で声高に叫ばれている、「エコ」が浸透していたようです。都会と農村が互いに支え合う為の都市システムが出来上がっていたということです。

都会で大量に消費される農作物、魚介類、紙や布製品などを消費しても、当時江戸には生ごみという概念がなかったそうです。


生のごみや、屎尿は農作物の肥料として堆肥を作り、それを運ぶ専門の業者も居たそうです。 排泄物は江戸時代のもっとも重要な肥料でした。特別な設備もエネルギーも不要、ただ集めるだけでチッソやリンを豊富に含んだ有機肥料を入手できたのです。 紙は特に貴重で書き損じた紙を紙屑拾いや、回収業者が漉き直して再利用したのです。


古着は当たり前で、着物は貴重品ですから一反の布を無駄なく使って仕立て直しして再利用するのが当たり前でした。ばらしたらボロ布にしかならない洋服とはエコ精神が違います。そして最後に残った灰ですら、肥料にしていたそうです。


この物を無駄にしない精神が、当時の文化の元になっていると思います。茶道、華道、武士道、
この「道」の中にはあらゆる無駄を省き、最低限の中で繰り広げられる、奥深さや真髄を求める潔さがあります。そして相手を思いやる心を教えています。


私もそこまで極めた人間でもないし、どちらかというと怠け者であると思ってます。でも日本人として、たとえ現代で暮らしていても、物を大切にする事の意味や、無駄を省くことで見えてくるものがはっきりする事など、自然と感じる事は出来ると思ってます。これからも続く日本の若者たちに忘れて欲しくない事です。


お節の成り立ちにも、朝廷の神事に使われた捧げた供物から、豊作、子孫繁栄、長寿、立身出世などの願いが込められた物を中心に作られてきました。

また、 日持ちのする保存食の色合いが多く、正月の間に主婦が忙しさから一時でも開放されるように作られた意味合いがあります。

無駄を省き、願いを込め、家族を思い合う。