Topics

勝沼醸造へワインの勉強会2008年11月16日


kousyuu_budou2005年の5月に 【勝沼醸造の白ワインと和食を楽しむ会】 を開催してから早、3年今や、甲州ワインは世界に向けて評価もグングン上がってきている。
そんな山梨県勝沼にある、勝沼醸造さんへ念願の見学会に行って来ました。
名古屋を朝6:30に出発順調に高速道路を走って3時間半。10:00には到着である。
蔵の外観はワインの蔵というより全くの日本酒の醸造元といった趣。↓
gaiyo05中に入るとふわっと麴の匂いが漂う。樽の並んだ横の階段を上がるとそこは、ティスティングルームになっている。

アンティークのテーブルが中央に鎮座して重厚な雰囲気を醸し出している。天井の低い蔵造りで、ミニギャラリーになっているこの部屋の両側の棚には、リーデルのワイングラスがびっしり並び種類もかなりの数。正直リーデルのグラスがこんなに種類があるとは知らなかった。
リーデル社のウェブで拝見したところ、グラスによって同じワインでも特徴が全く変わってしまう事もあるようだ。
造り手としては聞き捨てならない話だが、確かにありえることだと思う。
ただその特徴を理解しつつ、グラスを使うようにすれば、葡萄の品種ごとにグラスを変えて飲むと言う、プロ以外には精神的にもしんどい作業をする必要はないだろう。


グラスの話でわき道にそれてしまったが、そのミニギャラリーでティスティングです。
今回、我々を案内していただいたのは、専務の平山さんです。(この人はすごい!)
実は平山さんは大手ワインメーカーでワインの醸造に携わっていた方。何でも学生時代は絵描きを志し、フランスで絵の勉強をしていたのですが、現地でワインと出会い、将来のレールを変更「ワインがいつも飲める」業種にシフトしてしまった人。


その選択は間違いではなく、今、勝沼醸造で情熱と忍耐を持って100年後、200年後の日本におけるワインの下地をきっちり作っておられる。
ティスティングルームで日本に入ってきた葡萄の種類の話は特に面白かった。
何でも最初日本に入ってきたのはヨーロッパ種のヴィティス・ヴィニフェラというワイン醸造用の品種だということ。生食用のために輸入したのだが、生食用はヴィティ ス・ラブルスカというアメリカ種だったということ。ヴィティス・ヴィニフェラは 葡萄の害虫「フィロキセラ」に対して抵抗力がなく日本では育たなかったこと。そしてほんの少し生き残ったヴィティス・ヴィニフェラが甲州だということ。話にグングン引き込まれてしまいました。
その後、ティスティング。2006年から今までの物を順にいただき、やはりうまい!と再確認。


その後、畑に出て、ワインの種類ごとの特徴や、日差し、風の通り道など、いろんな条件の下で育った葡萄でワインを作り、そのデータを蓄積して今後のワインつくりに生かしていく地道な努力のしている話を聞いて、ますます甲州ワインへの熱意が高まってきた。


次は近代的な工場でクオリティの高いワインを造る一つ一つを丁寧に見学させていただいた。
もちろんタンクから直接絞り立てをいただいた。
もうこれだけでも感動物だったのだが、この後直営レストランの「風」で食事とワインと合わせたティスティングをした。最初のワインだけのティスティングと比べて、食中酒としての甲州は日本酒と引け劣らないぐらいのレベルまで来ていると思う。葡萄という果物と米の違いが少し気になるけれど、むしろここでいただいたローストビーフは甲州がパーフェクトでした。


見学会はまだまだ続き、最後に明治36年に作られた旧国鉄の深沢トンネルを勝沼町が借り上げワインの貯蔵庫として使用している「トンネルワインカーヴ」を見学して帰路に着きました。

充実した一日で家に帰ってからもワインのコルクをあけることになってしまいました。

katsunuma_hatakekatsunuma_hatake2katsunuma_kazekatsunuma_taru